augは不協和音なのか?
- clesre
- 2021年3月4日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年3月20日
Q. augは不協和音なのか?
A. 不協和音・協和音は厳密に分けられるものではない。
で終わらせるのが一番良いのかもしれないが、もう少し深掘りしたかったので。
いちおう、一般的な分類(不協和音程を1つ以上含めば不協和音)によるとaugは協和音だ。
(長3度→協和音程、増5度→短6度の異名同音なので協和音程)
しかし、augは他の協和音(メジャーなど)と比べれば明らかに不安定で濁った響きだ。
これを協和音と見なしてよいのか?と疑問を抱いた。
なのでこれを気ままに考察していく。
Caug(ドミソ♯)は長3度が2つ重なったものと見ることができる。
長3度にあたる純正音程は5/4だから、純正律のCaugは
ド:ミ:ソ♯=1:5/4:25/16=16:20:25となる。
これは純正律のC(ド:ミ:ソ=4:5:6)より複雑で不協和な響き。
さらに12平均律だとずれが生じて、Caug=16:20(+14¢):25(+28¢)となる。
このような高次倍音では28¢もずれるとあまり協和して聞こえないだろう。
ちなみにドミソ♯でなくドミラ♭とした場合、これは厳密にはCaugではなくA♭augの転回形、周波数比では20:25(+14¢):32(-14¢)になる。この場合はラ♭とミの間が誤差28¢の25倍音になる。

もしかしたら、5倍音の積み重ね以外でもaugを解釈できるかもしれない!
ので、念のため増5度(800¢)付近の純正音程を表↑で探したが、
見つかった11/7(783¢)、19/12(796¢)、27/17(801¢)は12平均律(5limit)より相当にハイリミットとなり、これらを聞きとっているとは言い難い。
やはり普通に長3度の積み重ねで解釈するのが一番だろう。
結論をつけるとしたら、
augは(あくまで12平均律の中では)協和音と不協和音の中間に位置する。
あくまで私としては不協和音に分類したいが、一般的な定義で協和音だったらそれでいいと思う。
そもそもdimが不協和音なのにaugが協和音っていう時点でおかしい、というのもそうだし、12平均律のCもCmも協和音じゃないだろ、と言ってしまえばそこまでなので。
☆余談☆
12平均律では長3度=1/3オクターブだから、CaugとEaugとA♭augの構成音は同じになる(モンゾとヴァルで示すと<12 19 28|-7 0 3> =0)が、純正音程でaugを取ろうとするとどうやってもそのようなことが起こらない。dim7も同様。
dimと減5度についても考える余地がありそうなので、これはいつかまた後の機会に。
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