楽曲分析4『エイリアンズ』
- clesre
- 2021年4月2日
- 読了時間: 2分
キリンジの曲『エイリアンズ』を分析しました。
コード進行は中の人の耳コピによるものなので、必ずしも正しいという保証はできません。
□全体の構造
イントロ 0:00~
Aメロ(1) 0:23~ [遥か空に旅客機~僕の街]
Bメロ(1) 1:06~ [泣かないでくれ~二人の額を撫でて]
サビ(1) 1:28~ [まるで僕らは~いいかい]
――――
Aメロ(2) 2:19~ [どこかで不揃いな~火を吐いた]
Bメロ(2) 2:41~ [笑っておくれ~眉をひそめないで]
サビ(2) 3:04~ [そうさ僕らは~解けるさ いつか]
――――
間奏 3:55~
Bメロ(3) 4:26~ [踊ろうよ さぁ~街に降る前に]
サビ(3) 4:50~ [まるで僕らは~わかるかい]
■拍子:4/4拍子
■調性:変ホ短調(E♭m)
□コード進行
■イントロ
|C♭|B♭7|
|E♭m9|A♭|
|C♭M7|G♭sus4/B♭|
|E♭m9|E♭m9 EM9|
■Aメロ(1)
[遥か空に旅客機~僕の街]
|E♭m7|A♭m7 B♭m7|
|E♭m7 G♭7|C♭M7 B♭m7 Adim7|
|A♭m7|B♭m B♭aug|
|E♭m9|E♭m9 EM9|
|E♭m7|A♭m7 B♭m7|
|E♭m7 G♭7|C♭M7 B♭m7 Adim7|
|A♭m7|B♭m B♭aug|
|E♭9sus4 E♭7|
■Bメロ(1)
[泣かないでくれ~二人の額を撫でて]
|A♭m7|C♭mM7 D♭9|
|B♭m7|D♭m7 E♭9|
|Cm7♭5|F7|
|B♭m Aaug|A♭m7 B♭aug|
5~7小節目はベースがC→F→B♭の4度進行。
仮にB♭をⅠとするとⅡ-Ⅴ-Ⅰの派生形になる。
■サビ(1)
[まるで僕らは~いいかい]
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|E♭m7|G♭7|
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|C♭M7|C♭M7|
|G♭M7|G♭M7|
1~4小節目は簡略化するとC♭→D♭→B♭m→E♭m、平行長調(変ト短調)でのIV→V→IIIm→VIm。これは王道進行、4536進行などと呼ばれ、ポップスでよく使われる。
5小節目のFm7は(メロディーも加味すると)ミクソリディアンやドリアンスケールからの借用和音と考えられる。これらはマイナースケールよりも明るい(≒長調に近い)響きになる。
借用しなかった場合はFm7♭5となる。
■Aメロ(2)
[どこかで不揃いな~火を吐いた]
|E♭m7|A♭m7 B♭m7|
|E♭m7 G♭7|C♭M7 B♭m7 Adim7|
|A♭m7|B♭m B♭aug|
|E♭9sus4 E♭|
■Bメロ(2)
[笑っておくれ~眉をひそめないで]
|A♭m7|C♭mM7 D♭9|
|B♭m7|D♭m7 E♭9|
|Cm7♭5|F7|
|B♭m Aaug|A♭m7 B♭aug|
■サビ(2)
[そうさ僕らは~解けるさ いつか]
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|E♭m7|G♭7|
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|C♭M7|C♭M7|
|G♭M7|G♭M7|
■間奏
|C♭M7|C♭M7|
|G♭M7|Fm7 B♭7|
|C♭M7|B♭aug(♭9) B♭7|
|E♭m9 G♭M7|A♭7|
|C♭M9|B♭aug7(#9)|
|E♭m7(11) E♭7|
♭9thは通常はアボイドノートとされるが、ドミナント(変ホ短調でのB♭)に♭9thを乗せるのは例外的に許容される。6小節目のB♭aug(♭9)では、さらに5thが#5thになって不安定さが高まっている。
10小節目のB♭aug7(#9)でも、M3と#9(=m3)が共存して不安定になり、解決に向かう力を強めている。
■Bメロ(3)
[踊ろうよ さぁ~街に降る前に]
|A♭m7|C♭mM7 D♭9|
|B♭m7|D♭m7 E♭9|
|Cm7♭5|F7(#9)|
|B♭m F/A|A♭m7 B♭aug7|
■サビ
[まるで僕らは~わかるかい]
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|E♭m7|G♭7|
|C♭M7|D♭/C♭|
|B♭m7|E♭m7|
|Fm7|B♭aug7|
|E♭m7 G♭6|C♭M7 B♭aug7(#9)|
|A♭m9|B♭aug7|
|E♭m9|E♭m9|
|A♭m/G♭|Bm6 Fm7♭5|
|G♭M7|
□その他補足
aug7のコードでは、構成音の間隔がすべて全音1つあるいは全音2つとなる。
トライトーン(三全音)を含むため濁って響く。
(なお、aug7の第三転回形が俗に言う分数aug)
変ホ短調(E♭m、6か所に♭が付く)で書いたが、嬰ニ短調(D#m、6か所に#が付く)で書いても問題は無い。
変ホ短調での短音階はE♭ F G♭ A♭ B♭ C♭ D♭となる。特にポピュラー音楽では、C♭はBと書かれることが多いが、機能が分かりにくくなるのを防ぐため今回はC♭とした。
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